撮影日記


2015年09月22日(火) 天気:晴

シルバーウィークだから「クラデジ」を使ってみよう
フィルムよりもゆっくり流れる時間を楽しむ

今日もまだ,「シルバーウィーク」の大型連休は続いている。昨日は「クラデジ」としてFUJI DS-10sとOLYMPUS C-1400Lを使うなかで,「電池」の消耗が速いこととパソコンへの「データ転送」に,実用するにあたってのネックがあることをあらためて思い知った。さらに,昨日の日記ではふれなかったこととしてもう1点,「撮影データの記録時間」という問題があることもふれておきたいと思う。
 私の定義では,OLYMPUS C-1400Lは「クラデジ」ではない(2015年9月10日の日記を参照)。しかし,「クラデジ」と現代的なディジタルカメラとの境界にある製品だと考えているので,比較の対象としてはちょうどよい。
 OLYMPUS C-1400Lの発売当時,メーカーは「業務用途の高額なデジタルカメラや銀塩カメラに匹敵する超高画質」(*1)であると謳っており,「業務用とされるものを除いてもっとも高画質」なディジタルカメラとして評価する意見もよく見かけたものである。実際に,一眼レフカメラという形式のためきちんと構図を整えられ,レンズの先にネジが切ってあるので各種のフィルタが利用でき,140万画素級の撮像素子で1280ピクセル×1024ピクセルの画像を記録することができた。もちろん批判される点も多々あったが,不満な点の1つとして,「撮影データの書きこみに時間がかかる」というものがあった。
 実際に使ってみると,これはとても気になるものである。
 最高画質のモード(SHQ)で撮影すると,1コマあたりの画像データの大きさが約1MBになるが,このときデータが記録されるのに10秒くらいはかかっている。その間,いかなる撮影動作もすることができない。フィルムのカメラから移行する時期であればあまり気にならなかったことでも,その後,ディジタルカメラでの連写に慣れてしまった身には,連写のできないディジタルカメラというものに,とてつもなく大きなストレスを感じるのである。

OLYMPUS C-1400L, OLYMPUS LENS AF ZOOM 9.2-28mm F2.8-3.9
FUJI FinePix S2 Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

「秋分の日」に近い朝,ほぼ東西に延びる道路に,ほぼ真東からの朝日がさしこむ。歩道に落ちた影と反射する光とが印象的なので,そちらにディジタルカメラを向けてみた。
 FinePix S2 Proは,連写のためのバッファメモリが7コマ分あるとのことだ。1コマ撮った直後にでも,ちょうどよい具合に自転車の影が見えたなら,もう1コマ続けて撮ることができる。しかし,OLYMPUS C-1400Lではそうはいかない。また,そもそもC-1400Lのレンズは逆光に弱いようで,さらにC-1400Lの優秀なホワイトバランス機能が,せっかくの朝日の雰囲気をぶち壊してくれている。
 こういう場面に,OLYMPUS C-1400Lは不適切なようだ。

一方で,光線がいじわるな条件でないときには,すっきりした写りを見せてくれる。そうは言っても,小さな撮像素子にあわせた焦点距離のごく短いズームレンズでは,周辺の描写があやしい点や歪曲がとても気になるレベルである。

OLYMPUS C-1400L, OLYMPUS LENS AF ZOOM 9.2-28mm F2.8-3.9
FUJI FinePix S2 Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

たくさん効率的に撮影をおこなうのであれば,連写がスムースにできるほうが都合よいのは間違いない。だが,今日は「シルバーウィーク」の大型連休中である。ディジタルカメラであっても,急がずじっくり撮影するのもよいものである。OLYMPUS C-1400Lよりも画像データが小さなFUJI DS-10sでも,画像データの記録時間は決して短くはなく,とても連写ができるようなものではない。だからこうして,古そうな被写体をのんびりと撮るのがよいのかもしれない。

FUJI CLIP-IT DS-10s, TV-FUJINON 5.7mm F3.1

「のんびり撮る」というと,フィルムを使うことを連想するかもしれない。しかし連写に関しては,これら「クラデジ」よりもフィルムカメラのほうが有利である。たとえフルマニュアルのクラシックカメラであっても,それがロールフィルムを使うもので,レバー巻き上げと自動巻き止め,セルフコッキング(巻き上げとシャッターのチャージが連動)が実現されているならば,撮影データの書きこみに10秒近くかかってその間まったく操作を受け付けないようなディジタルカメラよりも,はるかに素早い連写が可能である。
 やはり「シルバーウィーク」には,「クラカメ」ではなく「クラデジ」が似合うのである。
 「敬老の日」は「クラデジの日」,「シルバーウィーク」は「クラデジ週間」ということにしよう。

*1 超高画質一眼レフデジタルカメラ「CAMEDIA C-1400L/C-1000L」 専用プリンタ「CAMEDIA P-300」により写真画質プリントを遂に実現 (オリンパス光学工業株式会社)
http://www.olympus.co.jp/jp/news/1997b/nr970917c1400lj.jsp


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