2011年01月25日(火) 天気:晴ときどき曇
ありそうで,ない? CR1220をさがせ!
自宅で使用しているノートPCの1つ,IBM「ThinkPad R30」という機種が突然,起動しなくなった。電源投入後には,このようなメッセージの表示をくりかえすのみである。
「system battery is dead」 システムバッテリーが,死んでいる。と書いてある。ノートPCは,AC電源のない場所でも利用できるように,バッテリーを内蔵している。バッテリーが劣化すれば,ほとんど充電できない状態になる。そうなると,AC電源のない場所では,ノートPCを利用できなくなる。
しかし,ここは自宅。AC電源を利用できる環境であり,実際,ACアダプタを接続している状態だ。AC電源が供給されていても,バッテリーが劣化すると,ThnikPad R30は利用できなくなる仕様なのだろうか?
結論を書くと,DEADなSYSTEM BATTERYは,これとは別のものだ。パーソナルコンピュータには,時計が内蔵されている。電源がオフになっているときにも,その時計を動作させるためのバッテリーが内蔵されているのだ。それが,ここでいうところのシステムバッテリーの役割の1つである。
システムバッテリーの目的は,そういうものだから,めったなことで交換するものではない。というか,頻繁に交換が必要であれば,その都度,内蔵の時計がリセットされるわけで,たいへん不便なものになる。うまくすれば,5年や10年は,交換が必要ないかもしれない。システムバッテリーはなかなかその存在を意識する機会がないのだが,「system battery is dead」というメッセージを見せつけられれば,いやおうにもその存在を意識せざるを得ない。
さて,ThinkPad R30に内蔵されているシステムバッテリーは,どんなものだろうか?まずは,これを知らないと,どうしようもない。さっそく本体を裏返すと,2か所のネジにマークがついていることに気がつく。
この2本をはずせば,キーボード部分がすっぽりとはずれるのだ。
システムバッテリーは,キーボードをはずしたすぐ下にあった。取り出してみれば,「CR1220」と書いてある。専用の二次電池(充電式電池)などではなく,規格品のリチウム電池のようだ。すなおにこの電池を買ってきて,交換すればよいのだろう。
電池を買うなら,デオデオなどの大きな家電販売店に行けばよい。しかし,いまはちょっと,そこまで足を伸ばしている余裕はない。そこで,近くのダイソーを覗いてみることにした。もしダイソーにあれば,1個105円で買えることも期待できる。
ところが,CR1220は,ダイソーでは扱われていないようだ。CR2025やCR2032のような,ポピュラーなものは当然ある。そのほかにも,ゲーム用,補聴器用など,思ったより多種多様の電池が置いてあるのだが,CR1220は見つからない。これはあらためて,デオデオあたりへ出直す必要があるか?いやそれは,ちょっと面倒だ。
しかたなくダイソーの,電気小物の売り場を眺めてみた。ブザーやライトなど,電池を内蔵してある商品もある。電池だけ買えば1パック105円なのに,それらの製品は電池が付属して105円だったりする。電池の品質等に差があるのかもしれないが,単純に見れば電池だけを買うよりもおトクというのも,おかしな話だ。
そんな電池が付属した製品のなかに,注目すべきものがあった。
「LEDフラットライト」というものである。もちろん,105円。一見,なんの変哲もない,LEDライトである。電源スイッチをオンにすれば光る,ただそれだけのものだ。注目すべきは,このライトも「テスト用電池2個付」になっており,使う電池が「使用電池 コイン型リチウムCR1220」と書いてある点である。すなわち105円で,2個のCR1220を購入できるということだ。しかも,LEDライトもついてくる。たぶん,使わないけど(笑)。
自宅にThinkPad R30は,2台ある。「system battery is dead」の表示が出たのは1台だけだが,せっかく2個のCR1220を入手できたのだから,2台とも交換してしまおう。なにせこの表示が出てしまうと,まったく使用できなくなるのだから,予防的に交換しておくのも悪くない。
システムバッテリーが劣化すると,まったく使用できなくなるのは少々困りものだが,ThinkPad R30では,ネジを2本はずすだけで容易に交換が可能になるので,まあ許せる。
そういえば,東芝Libretto 20も,システムバッテリーが劣化してしまっていた。起動するたびに,内蔵の時計がとんでもない日時を示すのである。しかし,システムバッテリーが劣化しても,時計が維持されないだけであり,ちゃんとPCは起動する。ThinkPad R30とLibretto 20と,どちらの仕様が,都合よいものだろうか?
私としては,ThinkPad R30の仕様のほうが好都合だと言いたい。ThinkPad R30のシステムバッテリーは規格品だし,その交換は容易である。一方,Libretto 20のシステムバッテリーは,専用の二次電池のようだ。どこで入手できるのか不明だし,価格も決して安くはないだろう。しかも,キーボードをはずしてシステムバッテリーを交換する手間は,ThinkPad R30とはくらべものにならないほど,やっかいである。絶対に壊れない製品はありえないはずだから,「壊れたときに直しやすい」ほうが都合がよいのは当然のことであろう。これは,パーソナルコンピュータだけでなく,カメラについても言えることだ。もちろん,「壊れにくい」ことは,とても重要なことである。
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