ミニFMをはじめよう


電波の利用とミニFM

電波
 池に石を投げ込むと,波が生じます。しばらくのあいだは波は一定の間隔で動いているように見えます。波の山が生じて,次の山が生じるまでの時間を周期と呼びます。ある山と次の山との間の長さを波長といいます。
 電流が流れるとき,その周囲には電界と磁界が生じています。電界と磁界の変化が波として伝わる現象を電磁波と呼んでいます。そのうち,赤外線よりも波長の長いものを一般に電波と呼んでいます。

電波の利用
 現在,私たちのまわりには,常に無数の電波が飛びかっています。テレビやラジオの放送,警察やその他の業務無線,アマチュア無線,携帯電話など,さまざまな目的で,さまざまな周波数で電波が出ています。
 電波はごく私的な通信だけでなく,放送など不特定多数に向けてのものもあれば防災無線など非常時に重要な通信にも使われます。多くの人が多くの目的で使用する電波には,それを利用するためのルールがあります。そのため,多くの場合,電波を発射するには免許が必要です。右は免許を必要とするアマチュア無線機の一例です。
 しかし,電波を発射するときに免許を必要としないケースがあります。

 (1) 発射する電波が著しく弱いとき (微弱な電波)
 (2) 特定の周波数,特定の形式で,特に定められているとき

 (2)のケースで代表的なものには,家庭用のコードレスホンがあります。これは数 10mW という出力をもっていますが,周波数および電波形式など規格が定められています。そのため,この電波を発射するための免許は必要ありません。(2)に該当するものとしては,他に,ラジコンの送信機,CBトランシーバ,携帯電話などがあります。

ミニFM放送とは
 「自分の好きな曲がラジオから流れてくることが少ない」「自分でつくった曲をみんなに聴いてもらいたい」「自分の意見をどこかで発表したい」など,既存の放送局に対する不満や主張したいなにかをもっている人たちが,「微弱な電波」に目をつけました。「微弱な電波」は他の通信に影響を与えないかぎり自由に,どの周波数でどんな形式で発射してもよいことになっています。
 そこで,多くの人がもっているFMラジオで受信できる周波数で「微弱な電波」を発射し,そこで放送局のまねごとをはじめたのがミニFM放送局です。
 「微弱な電波」を用いたミニFM放送局は, 1982 〜 85 年ころにかけて大ブームとなりました。一時は 2000 を越える局が名乗りをあげたといいます。当時は,まだFM放送局自体が少なかったこともあり,各地で盛んに開局したようです。


ミニFM放送局をつくるへつづく


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