撮影日記


2023年05月05日(金) 天気:晴

ケンコー「サンガイド」

少しだけど時間に余裕ができたので,とくに目的はないが,久しぶりに梅田の八百富写真機店(大阪駅中央店)を訪れた。いつものようにジャンク品の棚を物色していると,カメラやレンズとは異質なアイテムがそこに紛れていることに気がついた。
 それは一見すると,「関式サロン露出計」(2023年3月17日の日記を参照)や「佐和式露出計算尺」(2022年2月6日の日記を参照)などの計算盤式露出計の一種のようにも思えた。しかし,丈夫そうなビニル袋に入っており,きれいなカラー印刷されたものである。時代はこれらよりも,ずっとあたらしいもののように思える。

それは,ケンコーから発売された「サンガイド」というものである。

透明な板に目盛があり,コンパス(方位磁石)が組み込まれている。これを地形図に重ねることで,その時期の日の出あるいは日の入りの場所を特定することができるというものらしい。日の出や日の入りそのものを撮るだけでなく,風景写真を撮るにあたってはどの季節にどの向きに光があたるのかも重要なことである。これを完全に使いこなすには地形図をきちんと読める必要はあるだろうが,こういうものがあると便利な場面は少なくないだろう。
 八百富写真機店の店頭には,これが2つあった。そのうちの,ほぼ未使用に思えるきれいなほうを買ってきた。もちろん,取扱説明書も付属している。

もう1つにはいろいろと書き込みがされていて,前の持ち主がそうとうに使い込んでいたことがうかがえる。買ってきたものはたぶん,前の持ち主が「予備」として確保していたものではないかと思われる。
 ケンコー「サンガイド」が発売されていたのがいつごろだったのかをたしかめるために,「写真用品ショー」のカタログを参照した。「写真・映像用品ショー 98」に「日の出日の入りの位置が簡単にわかる」として,「2連ダイヤモンド富士」の作例とともに載っていたのが,初出のようである。そして,「写真・映像用品総合カタログ 2004」まで掲載が確認できた。セールスコピーは相変わらず「日の出,日の入りの位置が簡単にわかる」「富士山から昇る日の出を撮る」なので,ほとんどそういう用途で使われていたのかもしれない。そして,前の持ち主も,そういう撮影に熱心に挑んでいたのかもしれない。


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