2023年03月11日(土) 天気:晴
Kodak DCS 460の音声メモ機能
ニコンが一眼レフカメラの開発から撤退することがわかった,ということが報道されたのは,昨年7月のことであった(*1)。いわゆる「ミラーレス」カメラの開発に集中するとのことである。ミラーレスカメラでは,レンズと撮像素子との間にファインダーに像を導くためのミラーがないため,一眼レフカメラにくらべると,レンズと撮像素子との間隔が短いものになる。その性質を利用して,一眼レフカメラ用のレンズをミラーレスカメラで使うためのマウントアダプタが流通している。
ミラーレスカメラではじめて,APS-Cサイズの撮像素子を採用したのは,SONY αNEXのシリーズである。そのマウントはソニーEマウントとよばれ,さまざまな一眼レフカメラ用のレンズを使うためのマウントアダプタが流通している。一眼レフカメラとしてかなりマイナーな部類である,マミヤZEシリーズ用のマウントアダプタすら存在する(2022年9月21日の日記を参照)。マミヤZE用に用意された唯一の接写用レンズ,Mamiya-sekor E Macro 50mm F3.5をデジタルカメラで楽しむこともできる。専用中間リングを使って1/2倍から等倍までの撮影をするときには,液晶モニタを拡大表示にすればピント合わせも容易になるから,ミラーレスカメラはじつに都合がよい。とくに,サギゴケのように地を這うように咲く花を撮るときには,チルト液晶を利用すれば,構図を整えたり,ピントをあわせたりするのも楽になる。
2個の自由雲台を使って,徹底的にローアングルにしている。
SONY αNEX-C3, Mamiya-sekor E MACRO 50mm F3.5
ミラーレスカメラであるSONY αNEX用にはさまざまなマウントアダプタが流通しているのに対し,ニコンの一眼レフカメラ用には他社のレンズを使うためのマウントアダプタがほとんど用意されていない。ニコンの一眼レフカメラでは,マウント面とフィルムないし撮像素子との間隔が46.5mmある。ほかのマウントの一眼レフカメラにくらべて長いため,単純に異なる形状のマウントをつないだだけのマウントアダプタでは本来よりもずっと前にレンズが出た状態になり,接写しかできないためであろう。
だが,接写が目的であれば,それでもよいのである。
ソニーEマウント用のマウントアダプタは,たまたまニコンの一眼レフカメラにちょうどはまる大きさである。したがって,ニコンの一眼レフカメラにマミヤZE用のレンズを装着して,接写をすることができるのである。
ソニーEマウント用のマウントアダプタを使って,マミヤZE用のレンズをニコンのボディに装着している。
Kodak DCS 460, Mamiya-sekor E MACRO 50mm F3.5
SONY αNEXでは実際の色よりも青っぽく写ったので,かなり補正をしている。Kodak DCS 460は実際よりも赤みが強く感じるが,このほうが印象には近いと思う。
レンズ交換のできるカメラを使うと,このようにいろいろなレンズを楽しむことができる。デジタル一眼レフカメラに,電気接点のある専用のレンズを装着して撮影した場合,撮影した画像ファイルに使用したレンズの焦点距離や露出などのデータが記録される。しかし,電気接点のないマニュアルフォーカス用のレンズやマウントアダプタを使って撮影した画像には,そのようなデータが記録されない。いろいろなレンズをtっかえひっかえして使っていると,どの画像をどのレンズで撮ったのかが,わからなくなる。
そのような場合に有効な機能が,Kodak DCS 460には用意されている。それは,音声メモ機能である。背面にある録音ボタンを押しながら,マイクに向かって被写体や使ったレンズなどを手短に話す。そして録音ボタンから手を離せば,音声データとして記録される。
Kodak DCS 460背面にある録音ボタン。 @録音ボタンを押す。A録音ボタンを押したまま,マイクに向かってしゃべる。B録音ボタンを離す。 このような手順で,メモを録音できる。
DCS00610.TIFというファイル名で記録された次に録音をすると,ファイル名の上7桁が同じDCS0061.WAVというファイル名で記録される。続けて録音をすると,上から5桁目が+1されて,DCS0161.WAVというファイル名で記録される。そのつぎに撮影した画像は,DCS01620.TIFというファイル名で記録される。このようにつづけて録音することでファイル名を大きく変えることができるので,このあたりの癖をうまく利用すれば,録音したメモとあわせて撮影したデータをあとで整理するのに役立ちそうである。
実際に撮影しながら録音をした場合に記録されたファイルの例。
*1 ニコン、一眼レフカメラ開発から撤退 60年超の歴史に幕 (日本経済新聞2022年7月12日 18:00 (2022年7月13日 5:06更新) )
→https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC219V60R20C22A6000000/
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