撮影日記 |
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2016年08月26日(金) 天気:晴一時雨かつてあこがれていた Kodak DCS PRO 14nKodak DCS Pro 14nをいただいた。業務に使っていたものだが廃棄することになったそうで,とてもありがたいことである。 Kodak DCS Pro 14nは,ライカ判サイズの撮像素子をもつディジタル一眼レフカメラである。ボディはまったく独自のものだが,Nikon F80と同等の形と機能をもっている。つまり,ニコンFマウントのレンズが使えるディジタル一眼レフカメラである。AF-S(ピントリング駆動モーター内蔵)レンズやVR(手ブレ補正)機構などには対応しているが,CPUを内蔵したタイプのレンズでなければ露出計が動作しないという制約をもつ。機能的には充実しているがあくまで中級機相当であるため,ファインダーの見え具合やシャッターの耐久性能など,高級機にくらべてものたりない面もあるとされる。 ところで,ニコンではじめてのディジタル一眼レフカメラは,1999年に発売されたNikon D1である。 このように書くと,「ニコンEシリーズを忘れるな」という反論があるだろう。それは,間違っていない。しかし,ニコンEシリーズは,ニコンとフジが共同開発した製品ということになっており,ニコンからは「ニコンEシリーズ」として,フジからは「フジックスDSシリーズ」として発売された。その点からEシリーズは,Nikon D1以降のディジタル一眼レフカメラとは別枠で考えたい。ニコンのオートフォーカス一眼レフカメラのことを語るとき,Nikon F3AFを除いて,Nikon F-501AFをさいしょの製品として扱いたいことと,同じような感覚であるといえば,ご理解いただけるだろうか。 ということで,ニコンとしてはじめてのディジタル一眼レフカメラNikon D1の発売後,有効画素数をアップさせたNikon D1Xや連写性能をアップさせたNikon D1Hなどが発売されるが,いずれも撮像素子はAPS-Cサイズとよばれるライカ判よりも小さなものを採用してきた。2003年にはフルモデルチェンジされたNikon D2H,2005年には有効画素数をアップさせたNikon D2Xが発売されたが,それらの撮像素子もかわらず,APS-Cサイズのものであった。そのため,ライカ判で使用するときにくらべると,レンズの焦点距離が約1.5倍相当のものとして使うことになる。望遠レンズでの撮影やマイクロレンズなどを使った接写・拡大撮影をおこなう場合だとかえって好都合な面もあるが,広角レンズが使いにくいという面が問題になる。ふつうならじゅうぶんに広角な28mmレンズが,35mmレンズよりもさらに長焦点の40mmレンズ相当として使うことになり,超広角20mmレンズを使ってようやく,ふつうの広角レンズの感覚になる。 そんなときに発表されたのが,Kodak DCS Pro 14nである。,ライカ判サイズの撮像素子(CMOS 1350万画素)をもち,ニコンFマウントの交換レンズが使用できるディジタル一眼レフカメラである。だから私も,ディジタル一眼レフカメラを買うならば,ぜひこれを選びたいと考えた。しかし,発売当初は100万円くらいの価格になるとのことで,これはさすがに躊躇する。その後,いちおう,Kodak DCS Pro 14nやFUJI FinePix S1 Proやその後継機あたりも比較対象として頭のすみにあったものの,仕事でも使いたかったので「緊急に,つなぎ的に使う」のだからと価格最優先でNikon D70を購入した(2004年12月20日の日記を参照)。そのときには,まさかNikon D70をずっと長く使うことになるとは,思ってもいなかったが。このときもうすこしがんばって,FUJI FinePix S2 Proを選んでおけばよかった,と後悔したのは,つい最近のことである(2015年9月7日の日記を参照)。 ともあれKodak DCS Pro 14nは,ちょっと手を出しにくいなあと半ばあきらめていたものの,いちおうは購入したいと考えたことのある機種,かつてあこがれていた機種である。このご厚意を,活かしていきたい。 ちなみに,ニコンがライカ判サイズの撮像素子をもつディジタル一眼レフを発売するのは,2007年11月のNikon D3まで待たねばならなかったのであった。
Kodak DCS Pro 14n (カメラミュージアム by awane-photo.com) |
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