2016年01月16日(土) 天気:晴
よく晴れた冬の日 太田川橋の橋台跡は今が見ごろ
今日は,可部方面に所用があり,お昼前後に少し時間の余裕がある。よく晴れているので,可部線沿線でもふだんあまり撮ることのない,可部駅のほうを撮り歩いてみることにした。可部駅から梅林駅あたりまで,往復してみようと思う。この付近を撮るときには,自動車を利用するよりも自転車を利用する,あるいは徒歩で移動するほうが,効率がよいというものだ。
ただし,あくまでもほかの用事の空き時間を利用してのこと。撮影に専念できるわけではないので,撮影機材は最小限度にしなければならない。今の私にとってこういう場合には,FUJI FinePix S2ProとAF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDとの組みあわせを選ぶことになる。さすがに,復活宣言をしたばかりのFUJIX DS-505A(2016年1月12日の日記を参照),あるいは,いちおう動作するようになったKodak DCS460(2016年1月15日の日記を参照)を持ち出すような勇気はない。
日中の可部線は列車が20分おきに運転されており,可部行きの列車が可部駅に到着するのは,毎時06分,26分,46分となる。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
可部駅では,到着する列車を待って,横川方面行きの列車が発車する。その時刻は,毎時08分,28分,48分となる。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
可部線の駅間距離は,JRの路線としては短めである。この点は,さいしょから国鉄線としてつくられたものではなく,もともとは私鉄の軽便鉄道であったことも影響しているのだろう。だから,列車がすぎてから歩きはじめると,次の中島駅に近づくころに,ちょうど次の列車がやってくる。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
太田川橋を渡って,そのまままっすぐ,かつては佐東バイパスとよばれていた国道をすすむ。そのピークあたりからは,太田川橋をほどよく見下ろすことができる。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
斜面に設けられた階段の道を降りていけば,上八木駅はすぐそこだ。上八木駅の横川側にある歩道橋から見れば,可部線が県道沿いに走っていることを印象づけやすい。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
上八木駅から梅林駅のほうへ,道も線路も登り坂となる。そのピークは,八木垰とよばれており,今でもその名称をバス停に見ることができる。八木垰を下りきったところで,県道に対して可部線が斜めに横切る,八木踏切がある。この斜めに横切るところは,貨物線のような印象を受けるのだが,通勤客や通学客も多く利用する,JRの旅客線なのである。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
さて,JR可部線ではいま,可部駅より先に約1.6kmの路線延長が計画されている(2015年3月8日の日記を参照)。この区間は,かつて三段峡駅まで可部線が運行されていたとき(2003年11月30日の日記を参照)の区間の一部にあたる。言い換えれば,ごく一部ではあるが,廃線になった区間が復活するのである。そういった事情もあって,可部駅より先は可部線の「廃線区間」として知られているが,可部線にかかわる廃線区間はそれだけではない。かつて少なくとも3か所で,路線の大きな変更がされている。そのうちの1つが,今日,歩いてきた太田川橋のところだ。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
国道(広島市内方面行き)の橋は,川に対してほぼ直角に架けられているが,可部線のほうは川に対して斜めに架けられている。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
しかし,かつての可部線は,国道とほぼ並行してすぐ下流側を渡っていた。このことは,古い地形図から読み取ることもできる(*1)し,当時のものと思われる橋台の跡も土手に残っている。夏になると,土手は草で覆われてしまうので,橋台の跡は冬が見ごろなのだ。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
橋台の跡は,二重になっているように見える。内側の小さいものが軽便鉄道時代のもので,外側の大きなものが国鉄時代のものだったらおもしろいのだが,実際にどうだったのかはわからない。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
周囲を見ても石組みがあるのみで,たとえば所有者や管理者あるいは制作者を示すようなプレートなども見当たらない。
FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
夏になると,ふたたび草に覆われて見えにくくなるので,気になる人はいますぐ訪れよう。そして,なにか「発見」をしていただきたいものである。
*1 時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」 (埼玉大学教育学部 谷 謙二(人文地理学研究室))
→http://ktgis.net/kjmapw/index.html
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