撮影日記


2021年09月20日(月) 天気:晴

酸っぱいフィルム

昔のカメラ雑誌(月刊誌)にはその月の「露光ガイド」というページが設けられており,何時ころのどんな場面であれば,どれくらいの露出が適正になるかの目安がわかるようになっていた。カメラに露出計が内蔵されるようになると,「露光ガイド」は掲載されなくなっていくが,フィルムのパッケージにはその簡易的なものがいまでもどこかにプリントされている。
 今日も,素敵なものを,いろいろといただいた。
 そのなかに,古いフィルムが含まれていた。1つは,1986年が使用期限のフジ・ネオパンSSであり,もう1つは,1974年が期限のフジ・ネオパンSSである。1986年が使用期限のほうには,期待通り外箱の目立つところに,露光の目安が印刷されていた。しかし,1974年が使用期限のほうには,露光の目安が印刷されていない。もしかすると,箱の中に折りたたまれた「説明書」が入っていた時代のものかもしれない。それを見てみたいような気もするが,未開封のこのパッケージを開くのも,もったいないような気がしている。

この2本のフィルムは,強烈な「酸っぱい」臭いを漂わせていた。フィルムのベースが劣化し,酢酸が発生しているようである。酢酸は,現像液のはたらきを止める,定着液の成分でもある。このような状態になったフィルムで撮影しても,じゅうぶんに前浴(現像する前に水につける)処理をすれば,現像ができるという報告はある(*1)。しかし,基本的に通常の使い方はもうできないと考えるのがよいだろう。また,発生する酢酸は,ほかのフィルムにもよくない影響を与える可能性があるから,密閉して隔離,保存するしかない。
 また,劣化してしまったフィルムは破棄し,残ったパトローネなどをきれいにして保存するのがよい,というご指摘もいただいた。そうすれば,この箱の中に入っている「説明書」を確認することもできそうである。

*1 「マミヤプレスファンクラブ掲示板」このスレッドの返信63
http://mamiya.awane-photo.com/voce/docs/20150222225729.html


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