2021年05月07日(金) 天気:雨のち曇
Kodak DCS 460にあらたな謎 封印された高感度モード
Kodak DCS 460は,感度の設定がISO 80相当でしか使えないことになっている。このことは,感度ISO 80相当のフィルムとしてのみ使用できるという意味であると考えていた。しかし,実際にはISO 800以上に設定すると,ISO 3200くらいの「高感度モード」のような状態に変わるようであることに気がついた(2021年5月6日の日記を参照)。ただし,「高感度モード」ではノイズが激しく,画像処理の完成度が低いと判断されたのだろうか,フィルム感度設定をISO 80以外に設定して撮影しても,レリーズするたびに通常のISO 80にもどるようになっている。「高感度モード」らしきものは,封印されているようなのである。
この動きを,もう少し確認してみることにする。
昨日は,「カメラ側のフィルム感度の設定を変えながらAEで撮影」を試した。もし,カメラ側のフィルム感度の設定がデジタルバック側にも反映されるのであれば,つねにほぼ適正露出になるはずである。その結果は,ISO 400まではしだいに露出がアンダーになっていくので,カメラ側のフィルム感度の設定はデジタルバック側に反映されないことを示している。しかし,ISO 800やISO 1600では急に露出オーバーになった。このことは,それよりもう少し感度が高い,ISO 3200くらいに相当する封印された「高感度モード」に切り替わったことを示すようなものである。
こんどは,絞り値とシャッター速度を一定にして,カメラ側のフィルム感度の設定だけを変更して,動きを確認する。
絞り値とシャッター速度は,ISO 80でほぼ適正な露出がえられた,F5.6,1/15秒にする。カメラ側のフィルム感度の設定をISO 80にしてレリーズすれば,ほぼ適正な露出がされた画像が得られるはずである。
Kodak DCS 460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S (F5.6, 1/15sec, ISO 80)
つぎに,感度の設定をISO 400に変更して,ISO 80で適正露出だったF5.6,1/15秒で撮影する。もし,カメラ側のフィルム感度の設定がデジタルバックに反映されるのであれば,2段階ほど露出オーバーになるはずだ。
Kodak DCS 460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S (F5.6, 1/15sec, ISO 400)
ところが,撮影した結果はほぼ同じである。カメラ側のフィルム感度の設定を変更しても,デジタルバック側にはなにも反映されず,ISO 80相当のフィルムを装填しているのと同じ状態が続いているようである。
つぎに,ISO 12に変更して,同じように撮影する。この設定がデジタルバックに反映されるならば,3段階ほど露出アンダーになるはずである。
Kodak DCS 460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S (F5.6, 1/15sec, ISO 12)
これも,撮影した結果は,ほとんど変わらない。
それでは,ISO 800に設定してみよう。昨日の動作からは,ISO 800であれば「高感度モード」に入ると考えられる。そのとき,デジタルバックはISO 3200相当のフィルムのように動いていると考えらえる。それならば,ISO 80での適正な露光を与えれば,大幅な露出オーバーになるはずだ。
Kodak DCS 460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S (F5.6, 1/15sec, ISO 800)
予想通り,大幅な露出オーバーとなった。
カメラ側のフィルム感度の設定をISO 12からISO 400の範囲にしているときは,Kodak DCS 460のデジタルバックは,ISO 80相当のフィルムのように動く。カメラ側のフィルム感度の設定をISO 800にすると,「高感度モード」に切り替わり,ISO 3200相当くらいのフィルムのように動くことになるのは,間違いなさそうである。
今回は,ISO 400とISO 800のあいだの,ISO 500やISO 640での動作を確認していない。「高感度モード」に切り替わるポイントがどこなのか,「高感度モード」のときの感度は実際にはどれくらいなのか,このあたりは今後,もう少しきちんと確認する必要がある。
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