撮影日記


2021年01月10日(日) 天気:雪のち曇

家にこもってレンズのカビをとる

先週金曜日(1月8日)の朝刊は,東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県に対してふたたび,緊急事態が宣言されたことを報じていた。土曜日(1月9日)には,大阪府,京都府,兵庫県も宣言を要請することを伝え,全国的にCOVID-19に対する警戒が強くなりつつある。また,先週からずっと強い寒波が日本列島を覆うようになって,とくに日本海側では各地で大雪になっていることが報じられている。広島市でも夜中にはそれなりに雪が降り,朝には路面が積雪している状態だ。それでもお昼までにはほぼ溶けて乾いてしまう。これらのことがあわさって,せっかくの連休であるが,遠出する気にはならない。雪が溶けて空も曇ったままでは,近所でなにかを撮ろうという気にもならない。外出を控えるようにという要請にしたがって,自宅内で楽しみを見つけるほかない。
 そこで,以前にカビだらけのものを入手して,そのまま放置していたレンズを清掃することにした。

レンズには,「CANON MACRO ZOOM LENS PH7X10B M 10-70mm 1:2.1」という文字がある。レンズマウントは,見たことのない3本爪のもので,ずいぶんと小さいものである。

F2.1という明るさのわりにズーム比が7倍と大きく,焦点距離が短くレンズの口径が小さいことから,古いテレビカメラ用のレンズではないかと想像できる。動くようになっている各リングには,「FAR - NEAR」「WIDE - TELE」「OPEN - CLOSE」という文字はあっても,ピントのあう距離,焦点距離,絞り値などの目盛は刻まれていない。とくに,ピントのあう距離の目盛がないので,最短撮影距離がわからないし,無限遠にピントがあうようになっているのかどうかもわからない。それでも,マウントアダプタなどを見つければ,いわゆるミラーレスカメラで使えるかもしれない。前群の2〜3枚目あたりのレンズに激しくカビが生じているので,ともかくはそこを掃除する。
 レンズ正面のリングが外せそうになっていたので,まずはそこを緩める。しかし,レンズが出てこない。どうやらこのリングでおさえるだけではなく,軽く接着剤かなにか粘性のあるものでも留めているようだ。

そこで,ピントリングのゴムをめくり,その下に隠れているネジを外して,ヘリコイドを抜いてしまう。そして後ろ側からレンズを押す。そうすることでレンズが出てきて,掃除することができた。あとは元通りに組み立てればよい。

とりあえず視野がすっきりしたので,FUJI X-T10にあてがってみる。

ズームリングはTELE側いっぱいにしてあるが,いわゆるAPS-Cサイズに対してはイメージサークルがまったく足りないようである。そして,ズームリングをWIDE側に動かすと,ピント位置が大きくずれる。いわゆるバリフォーカルレンズになっているのであろうか。どうにも,扱いにくいレンズである。
 イメージサークルが足りないこともあって,無理にこのレンズを使う必要はないだろう,という気になった。とはいえ,せっかく掃除したのだから,いちおうなにかを撮ってみたいし,このレンズの素性も知りたいものである。


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