撮影日記 |
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2020年08月13日(木) 天気:はれ夏の午後をFUJIX DS-330で撮るこのたび入手したFUJIX DS-330(2020年8月12日の日記を参照)は,どちらかといえば一般ユーザが趣味で使うようなカメラではなく,業務用途で使われるようなカメラである。そのことは,富士フイルムによる製品発表(*1)において,つぎのように「業務用デジタルカメラ市場で」という表現が使われていることからも,うかがい知ることができる。 「DS−330」は、業務用デジタルカメラ市場で好評を博してきた「DS−300」をベースに、機動性と操作性を更に向上いたしました。 前モデルのFUJIX DS-300は,当時としてはまだ例の少ないメガピクセル機(100万画素台の撮像素子をもったデジタルカメラはこうよばれていた)であり,かなりの高性能,高機能なデジタルカメラであった。ただ,このころのデジタルカメラ製品の変化は速く,翌年にFUJIX DS-330が発売されたころには,メガピクセル機はかなり一般的なものになりつつあった。それでも,マニュアル操作が多く取り入れられているところなど,一般向けとされているデジタルカメラとは一線を画すような内容も備えていた。プラスチック製でなんの飾り気もないボディ,今となっては不必要に感じられる大きな筐体などは,一般のユーザには強いアピールポイントにはならないだろう。さらに,130万画素という画素数は,今となってはまったくものたりない。しかしこのカメラには,なんとなく使いたくなるという,業務用として位置づけられたカメラがもつ独特の魅力が感じられるのである。 FUJIX DS-330透視ファインダーをもつカメラだからとっさのときに撮りやすそうな気がするのだが,残念なことに起動にやや時間がかかる。電源スイッチがOFFの状態からONにしたときはもちろん,電源スイッチをONにしたまま持ち歩いていても,しばらくするとスリープ状態になっているようで,シャッターレリーズボタンを押してから一呼吸おいて,カメラが動作するようになる。 FUJIX DS-330露出調整については,いわゆるマルチモードAE機なので,プログラムAEのほかシャッター速度優先AE,絞り優先AEおよびマニュアル露出が使える。今日はもっぱらプログラムAEを使用したが,ここでは絞り優先AEで絞りを開放にし,さらにレンズを最長焦点側にして,手前のほうにピントをあわせた。しかし,向こう側のボケは,あまり目立たなかった。 FUJIX DS-330個人的には,もう少し広角なレンズが使えるとありがたいと感じる。 FUJIX DS-330マクロモードがあるが,そんなに寄れるわけではない。もっとも,一眼レフではないし,ファインダーのように使える液晶モニタが内蔵されているわけでもないから,接写能力が高くてもあまり意味はない。 FUJIX DS-330FUJIX DS-300を使ったときにも感じたことだが,ハイライト部が白飛びしやすくなる傾向を感じる(2019年5月4日の日記を参照)。そのことを思い出してからはつねに-0.3EVの露出補正をかけておくようにしたが,日記を読み返してみるとそのときは-0.6EVにしてもまだ,物足りなく感じていたようだ。かといって,このカメラで設定できる(マイナス側の)最大値である-0.9EVに設定するのは,やりすぎるような気がする。 FUJIX DS-330ハイライト部が白飛びしやすく感じるのに対し,シャドウ部はしっかりと表現されているように見える。しかしこれは,パソコンのモニタという透過光で見ていることの影響もあるだろう。紙に出力するときはむしろ,シャドウ部がつぶれないように気をつけたいところである。 FUJIX DS-330そう考えると,常時-0.3EVくらいでちょうどよいのかもしれない。そして白飛びしそうなときは,念のために段階露出をしておけばよい。そういうときには,拡張ユニットEU-D3を装着しておくと3コマまでの連写ができるようになるので,都合がよさそうである。 夕方の光線は,大きな陰影を生むので,ふだんよく見かけるところも絵になりやすく感じる。とくに,夏は光が強く,その効果は大きい。しかし,夕方になっても,まだ暑い。それでも撮りに出かけたくなるのは,このカメラがもつ魅力のせいである。
*1 一眼レフ感覚で撮影できるカラー液晶ビューファインダー対応、簡易な設定で撮影条件に最適なモードが選べるプロスペックの決定版「フジックス デジタルカメラ DS−330」新発売 (平成10年6月17日 富士写真フイルム株式会社) |
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