撮影日記


2018年03月25日(日) 天気:晴れ

もっててよかった10倍ズーム

大阪市営地下鉄御堂筋線は,中津駅の北側で地上にあがり,高架線を走るようになる。その高架区間の駅では,地下鉄車両にカメラを向ける人の姿が目立っていた。大阪市交通局が運行していた地下鉄は,4月1日から民営化され,大阪市高速電気軌道株式会社が運営することになる。愛称名は「大阪メトロ」となって,従来の「〇」に「コ」のマークは使われなくなり,「M」を図案化したようなマークが使われるようになる。このことが,カメラを向ける人が多く見られた理由であろうか。

たまたま,今川沿いのサクラが咲く時期に大阪を訪れることになった。せっかくなので,今川のサクラをいろいろと撮りたい。しかし,大阪を訪れた主目的は,あくまでも仕事である。撮影機材は,最小限のものしか用意できない。
 最近,「これ1本」で済ませたいときによく使うレンズは,AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDである。このレンズは,ライカ判サイズの撮像素子をもつディジタル一眼レフカメラを入手したときに,おもに使うことを想定して購入したものだ(2014年3月31日の日記を参照)。だから,ボディはKodak DCS Pro 14nを用いるときには,このレンズを選ぶのは理にかなっている。実際に,広角側が24mmあれば困ることはほとんどないし,望遠側も120mmあればじゅうぶんである。
 AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-EDでは少々ものたりないのは,接写と超望遠撮影をしたい場合である。しかし,ある程度以上の接写や超望遠撮影では,三脚は必須であろう。今回は,三脚を用意するだけの余裕がない。だから,このレンズだけでじゅうぶんなのである。
 それでも念のために,300mm程度の望遠レンズは用意しておきたいと思った。こういうときは,AF Zoom-NIKKOR ED 70-300mm F4-5.6D (1998年7月6日の日記を参照)を持ち出すことが多い。300mmをカバーするズームレンズとしてはコンパクトであるとはいえ,それなりの長さがある。また,今川沿いを歩きながらいろいろ撮りたいと考えていたので,頻繁にレンズ交換をすることは想定しにくい。そこで思い出したのが,SIGMA AF 28-300mm F3.5-6.3 DL HYPERZOOMの存在である (2013年10月5日の日記を参照)。少々,太さはあるものの,収納時の全長はかなり短い。非常用のレンズとして用意しておくには,好都合ではないだろうか。ズーム比が約10倍という高倍率ズームレンズなので,画質面ではあまり期待できないかもしれないが,あらためてこの実力を確認しておくのもよい。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 28-300mm F3.5-6.3 DL HYPERZOOM

サクラの花には,小さな鳥が集まっていることも多い。木によって鳥が目立っていたりそうでもなかったりするのは,鳥たちに共通する好みのようなものがあることを示しているのだろうか。そして,近づくとすぐに逃げてしまうし,そもそも高い枝の上にいる小さな鳥の姿を写し撮るには,最低でも300mmレンズを使いたい。いや,これでもまったく足りないくらいだ。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 28-300mm F3.5-6.3 DL HYPERZOOM

けんめいに花をついばんでいるウグイス色の鳥は,メジロだろうか。
 レンズの性能については周辺減光が気になるレベルだが,このような場面においては,たいした問題ではない。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 28-300mm F3.5-6.3 DL HYPERZOOM

メジロにまじって,スズメの姿も見られる。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 28-300mm F3.5-6.3 DL HYPERZOOM

ハトは,サクラの木には集まらないようだ。静かに,春の暖かいひざしを浴びているだけのようである。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 28-300mm F3.5-6.3 DL HYPERZOOM

この落ち着いているのは,ヒヨドリだろうか。よほど余裕があるのか,あるいはなにかに注意を集中しているのか,ほとんど動かないから,比較的接近して撮ることができた。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 28-300mm F3.5-6.3 DL HYPERZOOM

川面に目を向ければ,カモ類の姿も見られる。

昨日はサクラを撮ることが主目的だったはずなのに,気がつくと鳥の姿もかなり追っていたことになる。花ばかり撮っていても飽きてしまうということもあるが,300mmレンズを用意していたからこそ,こういう楽しみ方もできたということだ。
 28mm〜300mmという10倍ズームレンズは,念のためにいつも用意しておくのがよいのかもしれない。


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