撮影日記


2018年02月06日(火) 天気:晴れ

うわさの「カメラはスズキ」へ行こうと思ったが…

最近,ごく一部の人たちのあいだで「APS」が見直されようとしている。とはいえAPSは,すでにメーカーからのフィルムの供給が終了した規格だ(2017年5月14日の日記を参照)。いかに注目しようとも,フィルムの入手が容易ではない。しかし市場にはまだ,APSフィルム(IX240カートリッジフィルム)が残っているようで,ときおりインターネットオークションなどに出品されることがある。そのような状況で多くの人びとが注目するようになると,フィルムの価格がせりあがってしまうので,さらにフィルムが入手しにくくなる。
 そういう状況にこたえてくれようとしているお店が,いくつかあるようだ。どうやら,海外からまとまった量の在庫を取り寄せて,ほどほどの価格で販売している。ただし,どのような状況で保管されていたのかが明確ではない「期限切れ」のフィルムである。ほどほどの価格とはいえ,それなりにリスクのともなう商品である。それでも,まったく入手できないよりは,ずっとよいことだ。
 APSを使う上では,現像のインフラも問題となる。たとえば近所の「カメラのキタムラ」に現像を依頼すると,納品されるまでに2週間以上かかる。すでに,多くのD.P.E.店では店頭の機械で現像処理ができなくなっている。
 それでもまだ,APSフィルムを販売し,その現像処理を店頭の機械で「スピード処理」してくれるお店がいくつか残っているようだ。横浜駅にある「カメラはスズキ」は,そのような貴重なお店の1つである。

「カメラはスズキ」は,店頭にフィルムなどをいれた「ガチャガチャ」を設置しているなど,おもしろそうなお店であるから,いちどは訪れてみたいと考えていた。今日はたまたま用があって東京に行くので,この機会に訪れてみたい。しかし,東京から横浜は決して近くない。とくに今回の目的地は,東京でも北東のほうである。横浜まで行くのは,どうしても,おっくうになる。自分の背中を押すために,そこまで行かなければならない強い理由がほしい。
 だから,APSカメラで撮影し,フィルムのスピード処理を依頼しようと考えた。
 幸い,フィルムはもう少し残っている。前回は,使ったフィルムの状態がよくなかったので,こんどこそきちんとした写りを確認したい(2017年9月9日の日記を参照)。もう使うことはないだろうと思っていた,GOKO Macromax FR-2200の出番である。

しかし,今日はあくまでも仕事のために東京へ来ている。すきまの時間だけでは,なかなか撮り終わるものではない。GOKO Macromax FR-2200ならではの写真といえば,当然ながら接写だ。しかし,そこらじゅうにいろいろな花が咲いているような時期ではないので,フィルムの消費がすすまない。最後に,フィルムをとにかく消費するべく都電を撮ろうと考えた。さっさと撮って,東京上野ラインに乗れば,「カメラはスズキ」の(「スピード処理」に必要な時間を含めた)営業時間にはじゅうぶんに間にあうだろう。
 ところが,東京の日没時刻は,広島とくらべればずいぶんと早いのである。とてもじゃないが,フィルムの消費はむりだ。残念だが今回は,「カメラはスズキ」を訪れるのをあきらめよう。

せっかく都電沿線に来たので,ひさしぶりに梶原にある「明美」というお店で売られている「都電もなか」を買って帰ることにした(2011年6月18日の日記を参照)。最近,都電荒川線に「東京さくらトラム」という愛称名が与えられた。無理やり不自然な名前がつけられたように感じられ,個人的には賛成しがたい名称である。幸いにも「都電もなか」の名称は「都電もなか」のままで,それには一安心である。


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