撮影日記


2017年11月20日(月) 天気:くもり

Kodak DCS 460 非Aiレンズ対応 ようやく成功
謎の突起がすべてを握る

Aiカプラを破壊したNikon F90XとKodak DCS 460とを組みあわせ,非Aiレンズ専用のディジタル一眼レフカメラをでっちあげたのだが,なぜかピントの位置があわないという問題が生じている(2017年11月18日の日記を参照)。
 その可能性としては,つぎのようなことが考えられる。
 
1 操作ミスあるいは記憶違い
2 シフト撮影の影響
3 撮像素子のずれあるいは歪み
4 Nikon N90sとNikon F90Xのマイナーな差異

まず,PC-NIKKOR 35mm F3.5のアオリ量を0にして,室内のものを撮りなおした。それでもまだ,前ピンの状態だった。前ピンになっていたのは,PC-NIKKOR 35mm F3.5でアオリを使っていたことが原因ではないと考えられる。アオリが原因であったなら,Kodak DCS 460ではアオリが実用できないので,今回の改造が無意味なものになるところだった。
 つぎに,カメラボディをNikon F90XからもともとのNikon N90sに組みもどして,試し撮りをした。こんどは,ピントの問題がない。

ピントがずれていた問題は,Kodak DCS 460に組みこまれていたNikon N90sと,あらたに用意したNikon F90Xに,なんらかの違いがあったという可能性が濃厚になった。ピントに影響のある差異があるとすれば,マウント部,ミラー,ファインダースクリーン,フィルムガイドレールあたりが考えられる。
 このうち,マウントやミラー,フィルムガイドレールに差異があれば,そもそもNikon F90XとNikon N90sとの互換性がないことになってしまう。そこで,Kodak DCS 460に組みこまれていたNikon N90sと,あらたに用意したNikon F90Xのファインダースクリーンを交換してみたが,ピント位置がかわるようなことはなかった。
 ところが,Nikon N90sとNikon F90Xとを組みかえるときに,1つの違いがあることに気がついた。

こちらが,Kodak DCS 460に組みこまれていたNikon N90sである。

こちらが,あらたに用意したNikon F90Xである。

違いに気がついただろうか。
 そう,Nikon F90Xにあるフィルムガイドレールの上の小さな突起が,Kodak DCS 460に組みこまれていたNikon N90sにはないのである。あらたに用意したNikon F90Xでは,この突起がKodak DCS 460の撮像素子がついた板を押して,位置をずらせてしまっていたようだ。わずかだが撮像素子の位置が後退するので,前ピンになってしまっていたのである。
 この突起をはずすことで,ピントのあった画像を得られるようになった。ピンボケだった画像をよく見てみれば(2017年11月18日の日記を参照),全体に前ピンになっているのではなく,片側だけがボケている。

Kodak DCS 460, PC-NIKKOR 35mm F3.5

PC-NIKKOR 35mm F3.5でかなり大きくシフトさせて撮っているせいか,遠近感が不安定に感じられるようになった。Kodak DCS 460の撮像素子はライカ判サイズではないから,35mmレンズは広角レンズというよりも標準レンズに近い印象になる。それでもシフトによる効果は得られるようで,周辺部の像が破綻しているわけでもない。これは,期待通りの結果である。

Kodak DCS 460, NIKKOR-S Auto 5.8cm F1.4

PC-NIKKOR 35mm F3.5以外の非Aiニッコールレンズとして,NIKKOR-S Auto 5.8cm F1.4を使ってみた。F1.4という大口径レンズであるが,意図したところにピントがあっているので,カメラに問題はないと結論づけてもよいだろう。

これで,非Aiニッコールレンズをこれまでより以上に,お手軽に楽しめることになるのだ。


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