2017年01月06日(金) 天気:晴ときどき曇
撮ってみなけりゃ,わからない 夜景は予想外だから面白い
フィルムでの撮影にくらべて,ディジタルカメラでの撮影が便利だと感じる場面として,夜景の撮影というものがある。
ディジタルカメラが,夜景の撮影に対して好都合に思える点としては,高感度に設定して撮影できることをあげることができる。よほど古いディジタルカメラでなければ,ISO 800からISO 1600相当での撮影には,じゅうぶんに対応できる。ISO 1600程度であればネガカラーフィルムが市販されているし,ISO 400のフィルムを使っても1〜2段程度であれば増感現像で対応できるので,あまり大きなメリットにならないと思われるかもしれない。ディジタルカメラの場合は,単に高感度に設定できる,というだけではない。「そのコマだけをISO 1600の感度に設定できる」ことに,大きな意味がある。フィルム1本まるごとをISO 1600で撮らねばならないことにくらべると,その利便性はきわめて大きい。
新年会のあと,酔い覚ましを兼ねて,軽く夜景を撮って帰ることにした。
先に「よほど古いディジタルカメラでなければ,ISO 800からISO 1600相当での撮影には,じゅうぶんに対応できる。」と書いたが,今夜はKodak DCS Pro 14nでの撮影である。このディジタルカメラは「よほど古い機種」に該当するので,感度をISO 400までしか設定できない。しかも,ISO 100相当以上の感度に設定すると,ノイズが気になるという評判もある。実際に試してみたところ,さすがにISO 400相当ではノイズが気になるが,ISO 200相当までなら「まあ,許そうか」というところだ。
Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
薬研堀通のところにある歩道橋から,八丁堀交差点のほうを眺める。看板や自動車,電車の明かりは,かなり明るい。ISO 200相当でも,開放で1秒前後の露光時間となる。動いている電車や自動車の明かりはほどよく流れているので,繁華街の夜の喧騒が伝わるのではないかと思う。
Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
動感を誇張するなら,ありきたりな手法だが,露光中のズーミング操作が効果的だ(2015年11月6日の日記を参照)。
1枚目の画像でおわかりいただけると思うが,ここでは線路が微妙にカーブしている。そのため,露光中にズーミング操作をすると,本来カーブしている線路と,ズーミングによって直線的に伸びた像とがずれて,線路が分岐しているように見える。光が中心から伸びてくるように見えるのは,露光中にズーミングをおこなうことからじゅうぶんに予想されるものだが,線路が分岐して見えるようになるのは,予想していなかったことである。
夜景撮影は,このように予想しない結果が出ることがあるので,おもしろい。フィルムでの撮影と違って,撮影後すぐにそれが確認できるというのも,ディジタルカメラで夜景を撮るメリットの1つである。
Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
同じ位置ばかり撮っていてもおもしろくないので,客待ちのタクシーの列にもレンズを向けた。こちらはやや明るさが足りず,露光時間が長くなって大いにブレしまったが,タクシーの横を通る自動車の光跡がタクシーに襲いかかるように写ってくれた。これも,予想に反した,おもしろい結果である。
なお,このコマは,露光時間が3秒になった。Kodak DCS Pro 14nは,2秒以上の露光を推奨していない。そのため,背面の液晶モニタに「推奨露光時間をオーバーしました」というエラーが表示される。この画面は白バックに黒文字表示なので,夜景撮影時にはまぶしいので困る。Kodak DCS Pro 14nは,基本的に「スタジオでのポートレイト撮影用」と言われるが,そのことを実感する瞬間である。
Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED
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