2015年03月08日(日) 天気:晴
ダイヤ改正! 時刻表にはあらわれない可部線の大きな変化
3月は,JRのダイヤ改正の季節である。今年も,次の土曜日(2015年3月14日)から,あたらしいダイヤとなる。今回の改正でもっとも大きなできごとは,北陸新幹線が,長野駅から金沢駅まで延伸開業することだ。これに伴って,並行する在来線の運営が第3セクター会社に移管されるなど,在来線の列車運行にも大きな変化が生じる。
そのほかに注目されていることとしては,青函トンネルにおける北海道新幹線の工事などの影響もあって,上野駅と札幌駅とを結ぶ寝台列車「北斗星」の定期列車としての運転が終了し,臨時列車化されることがある。さらに北陸新幹線と北海道新幹線の両方の影響を受けて,大阪駅と札幌駅とを結ぶ寝台列車「トワイライトエクスプレス」の運転が終了する。そして例年のごとく,最終日の「北斗星」の寝台券や,初日の北陸新幹線「1番列車」の特急券などは,それぞれ発売開始から数10秒程度で売り切れたという報道もあった(2009年2月13日の日記や2012年3月15日の日記も参照)。
これらのニュースにくらべると地味ではあるが,今回は広島地区でも大きな変更がある。1つは,広島駅と横川駅との間に,あたらしく新白島駅が開業することである。この駅はアストラムラインとの乗り換え駅としても機能し,山陽本線と可部線の列車がすべて停車する。
このことは,可部線になんらかの影響を与えるであろうか?
さっそく全国版の大型時刻表を買ってきて,可部線の項目を確認した。可部線には増発や減便などはなく,各列車の時刻についてもそれぞれ数分程度の変更が見られるのみであった。これを見るかぎりでは,可部線については大きな変更はない。
しかし,駅で配布されている時刻表を見ると,じつは大きな変化があることに気がついた。全国版大型時刻表には記載がないが,駅で配布されている時刻表には,広島駅,緑井駅,可部駅での発着番線が記載されている。それを見て,発着番線に大きな変化があることに気がついた。
fig. 1 ▲平成26年3月15日改正の時刻表(広島駅に到着する部分)
fig. 2 ▲平成26年3月15日改正の時刻表(広島駅を発車する部分)
上の画像は,駅で配布されている現行の時刻表(2014年3月15日改正)の一部分である。fig.1を見れば,広島駅着10:03以降の列車は,すべてが4番線に到着していることがわかる。また,fig.2からは,4番線に到着した列車は3〜4分ほどでそのまま4番線から可部行きとして折り返していることを読み取ることができる。
下の画像は,駅で配布されている改正後の時刻表(2015年3月14日改正)の一部分である。fig.3を見れば,広島駅着10:04以降の列車は,すべてが4番線に到着しているわけではなく,7番線に到着する列車もあることがわかる。7番線からは下り方面へ折り返さないので,7番線に到着した列車は,そのまま車庫へ入ることになる。fig.4を見れば,そのときも可部行きの列車は4番線から発車していることがわかるので,その場合の車両は,車庫から出てくるのだろう。
fig. 3 ▲平成27年3月14日改正の時刻表(広島駅に到着する部分)
fig. 4 ▲平成27年3月14日改正の時刻表(広島駅を発車する部分)
可部駅のほうでは,もっとはっきりした変化が見られる。
現在(2014年3月15日改正)の可部駅では,下のfig.5からわかるように,早朝と深夜の一部の列車を除いたすべての列車は,2番線から発着している。
fig. 5 ▲平成26年3月15日改正の時刻表(可部駅を発車する部分)
それに対して改正後(2015年3月14日改正)の可部駅では,fig.6からわかるように,2番線と3番線を交互に使用するようになっている。
fig. 6 ▲平成27年3月14日改正の時刻表(可部駅を発車する部分)
現行では,可部駅の2番線に到着した列車は,3分くらい後にそのまま広島方面行きの列車として折り返している。改正後は,可部駅の2番線(あるいは3番線)に列車が到着すると,2分くらい後に3番線(あるいは2番線)にいた列車が,広島方面行きとして発車するようになる。可部駅の2番線(あるいは3番線)に到着した列車が広島方面行きとして折り返すのは,20分後に次の列車が到着するその2分後くらいになる。
いままで,3分くらい後に折り返していた列車が,22分以上後に折り返すようになる。そして,2番線と3番線を交互に使用する。これは,可部線の延伸を見越しての変更であろう。
現在の可部線は,広島市西区の横川駅から,広島市安佐北区の可部駅まで(14.0km)を結んでいる。2003年11月30日までは,さらに先の安芸太田町(旧・戸河内町)の三段峡駅までの長い路線(60.2km)であった。全線が単線で,横川駅から可部駅までは電化されていた。
廃止になった区間のうち,可部駅に近い約1.6kmの区間について,現在,電化・延伸(復活?)工事が進められている。開業予定は2017年春で,終点の駅のほか途中に駅が1つ設けられることになっている(*1)。そのとき可部駅は終点ではなくなるが,列車がすれ違うための駅となる。改正後,可部駅で2番線と3番線を交互に使い,到着した列車はおよそ22分後に折り返すというのは,可部線が延伸後の運転パターンを先取りしたものであろう。
可部線の延伸は,つぎつぎに現実味を増しているのである。
広島地区に関するそのほかの動きとしては,あたらしい電車が導入されることがあげられる(*2)。広島地区用の電車として新車が導入されるのは,国鉄時代末期以来のことで,JRになってからははじめてのこととなる。
すでに頻繁に試運転がおこなわれているようで,あたらしい電車を実際に目にした人も多いだろう。また,駅に掲示された,新車導入をアピールするポスターを見たこともあるかと思う。そうなると古い車両が消えていくわけだが,そのあたりの動きはどうなることか。
▲広島駅停車中の試運転列車(2014年11月14日,携帯電話機のディジタルカメラ機能で撮影)
*1 可部線電化延伸区間の新駅について (西日本旅客鉄道株式会社)
→http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/02/page_6784.html
*2 新型車両「227系」の車両愛称名導入について (西日本旅客鉄道株式会社)
→http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/03/page_6919.html
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