2013年09月28日(土) 天気:くもり
故障レンズを「開放専用」と割り切るか? SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5
先日,ディジタル一眼レフカメラ用レンズ「AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」を1000円で保護できたことに味をしめて(2013年7月21日の日記を参照),今日もまた性懲りもなくカメラ店のジャンクコーナーを覗いてしまうのであった。
AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VRは,あくまでも廉価版の標準ズームレンズである。しかも,いわゆるAPS-Cサイズの撮像素子に特化したものであり,Nikon FマウントのNIKKORレンズでありながら,絞りリングのないGタイプレンズである。さらにマウントはプラスチック製であり,安さ最優先というレンズだ。AF-Sレンズではあるが,オートフォーカスモードのままでマニュアルでのフォーカシングができないというあたりは,初心者向けであるともいえる。最近,ニコンのディジタル一眼レフカメラでは,上位モデルを除いてモーターが内蔵されたタイプのレンズでしかオートフォーカスができないものが増えている。それに対応するための,廉価版AF-Sレンズということともいえるだろうか。そんなレンズだが,VR(手ぶれ補正)機構を内蔵している。手ぶれ補正機構も,お手軽な存在になったものだ。で,これらの機能が,いちおう動作し,ちゃんと撮れてしまったのである(2013年7月27日の日記を参照)。これで1000円というのは,安いと言っていいだろう。もっとも,このレンズは,ニコンのディジタル一眼レフカメラにセットして売られることの多いレンズだ。このレンズを単体で欲しがる人は多くないだろうから,案外,1000円というのは妥当な価格なのかもしれない。
さて,今日,1000円で救出できたのは,こんなレンズである。
シグマのAF 18-35mm F3.5-4.5という,超広角ズームレンズだ。どれくらいから「超」広角というのか,きちんとした定義はないと思うが,いま一般的に広角レンズというと焦点距離28mmくらいのものを指す。焦点距離が20mm以下であれば,超広角レンズといっていいだろう。もちろんここでいう焦点距離は,35mm判フルサイズ,ライカ判のことである。APS-Cサイズの撮像素子をもつディジタルカメラであれば約1.5倍の焦点距離に相当することになるので,18mmといっても27mm相当ということになり,それは「超」広角レンズではなく,広角レンズとされる。7月に救出したNIKKORは18mmからのズームレンズだったが,これはAPS-Cサイズの撮像素子をもつディジタルカメラ専用レンズなので,18mmではあるが「超」広角レンズではなく,広角レンズである。要は,28mm〜85mmクラスの標準ズームレンズでもある。
それに対して,今日,救出したシグマのレンズは,ライカ判用レンズである。というか,35mm判フィルムカメラ用の超広角レンズだ。惜しいのは,ニコン用ではない。キヤノンEOS用なのである。そこに重大な問題がある。Canon EOSのボディをもっていないわけではないので,使用については問題ない。むしろ,おもしろそうなレンズだから,ほとんど出番のないEOSボディを使う機会が得られそうで,期待できる。
問題点はそこではない。
超広角レンズが中古品ましてやジャンク品として出回ることは少ないと感じているから,シグマらしく安価に発売されたレンズとはいえこれがジャンク品として扱われているということは,どこかに重大なトラブルが生じている可能性があるはずだ。見たところ,外見はそこそこきれいだ。レンズにも目立ったカビやクモリ,汚れ等は認められない。ピントリングはスムースに動くし,フロントキャップもリアキャップも付属している。となると怪しいのは絞りだが,EOS用レンズの絞りは機械的に制御されないので,カメラに装着しなければ動きを確かめられないのである。その点NIKKORレンズだと,絞りリングがないレンズであっても絞りを制御するレバーが後部に飛び出しているから,絞り羽がちゃんとそろっていて,固まっていないことくらいは確認できるのである。
そういう危険性もあったのだが,見た目には前玉が大きいものの,その割には軽く感じられるレンズだから,Canon EOS kissと組み合わせて使えばおもしろそうである。絞りが動作しなかったら,開放専用レンズと割り切ればいいや。そう考えて救出したのであった。
さて,Canon EOS kissにつけてみると,AFはちゃんと動作するのだが,案の定,絞りが動かない。無理に分解にチャレンジするよりも,すなおに開放専用レンズとして遊んでみることにしようと思うのであった。ま,絞りが動作しなかったのは,想定の範囲内ってことである。
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