撮影日記


2013年08月10日(土) 天気:晴

バイテンの日の朝
平和公園はちょっと空いていた

2010年から勝手に提唱している「大判写真の日」「中判写真週間」も,いつのまにか4年目となった。「大判写真の日」は,大判写真でよく使われるフォーマットである,4×5判,5×7判,8×10判,11×14判のそれぞれにちなんだ,4月5日,5月7日,8月10日,11月14日の4日ある。今日はそのうち,8×10判「エイトバイテン」すなわち「バイテンの日」である。大判写真でも,4×5判にくらべると8×10判は,一気に敷居が高くなる。フィルムが大きいわけだからそれだけカメラも大きくなるし,8×10判に対応するレンズも限られたものになる。また,フィルムの単価も高ければ,現像代も高くなる。そもそも8×10判のフィルムを常時在庫しているお店など,ごく限られたところになるだろう。
 「大判写真の日」を勝手に提唱した私だが,残念ながら8×10判の機材を所有していない。ましてや,11×14判の機材など実物に触れたことなどない。まあここは寛容に,「8×10判での撮影が望ましいが,できるだけ大きなフォーマットの撮影を楽しもう」と解釈することにしようではないか。
 というわけで,今年も「四切1/2」判の組立暗箱での撮影を楽しむことにしよう。

一昨年の「バイテンの日」には,早朝の平和公園での撮影を目論みながらじゅうぶんに早く起きられず,仕事に出かけることを考えて,早朝の撮影を断念したものだ(2011年8月10日の日記を参照)。今年もあまり早く起きられなかったのだが,今年の「バイテンの日」は都合よいことに土曜日であり,時間に余裕がある。
 早朝といっても,すでに6時台。あたりは十分に明るくなっている。平和公園には,人の姿は少ないとはいえ,まったくいないわけではない。とくに,「原爆死没者慰霊碑」の前は,早朝から人の姿が絶えない。それでも,人の姿が途切れることはあるから,その瞬間を狙って撮る。

次は,「原爆の子の像」へ移動。こちらも,祈りをささげる重要な場所だから,訪れる人が途切れる瞬間を狙う。冠布を外すと,蛇腹をずいぶんと縮めて撮っていることに気づかれるだろう。使っているレンズはFUJINON W 210mm F5.6だが,「四切1/2」のフォーマットにとってはかなりの広角レンズなのである。なお,「四切1/2」をインチで表現すると,6×10判ということになる。長辺は,8×10判とかわらないわけだ。天地が短い分だけ,いわゆるパノラマサイズのように,ワイド感が強調されるフォーマットなのである。もともとは,横に大勢の人が並んだ「集合写真」を撮るためのフォーマットだったのだろう。天地が短いから,四切に焼き付けるとき,下部に写植文字を入れるのにも都合よかったと思われる。

最後に,対岸から原爆ドームを撮る。広島市民球場の照明設備がなくなって,少し風景がかわったことをあらためて実感する。四切1/2のフィルムホルダは3つしかもっていないので,全部で6枚しか用意できない。念のために露出も変えて2つずつ撮るので,撮影できるのは3カットだけということになる。それでも撮影に一定の手間がかかるので,平和公園に着いてから1時間以上経過し,すでに時刻は8時を過ぎている。このくらいの時刻になると,通る人もずいぶんと増えてきた。とはいえ,いつもの週末にくらべれば,まだ少ないか?今年はカレンダー都合がよく,今日から長期のお盆休みになっている人も多いと聞く。すでに帰省や旅行などに出発し,広島市内から人が少なくなっているのだろうか。また,平和を祈りたい人は,この時期はちょうど長崎のほうにも分散しているということも,可能性としてはありそうだ。
 暑くならないうちに,早々に撤収だ。

画像はすべて,携帯電話機P-01Dによる。


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