撮影日記


2013年06月10日(月) 天気:くもり

ビューティフレックスよ,ここがキミの故郷らしいぞ。

先週は,「中判写真週間」(2010年6月5日の日記を参照)であった。中判写真のフォーマット,6×4.5,6×6,6×7,6×8,6×9にあわせて,6月4日から6月9日の期間を中判写真を楽しむ日として,勝手に制定したものである(笑)。このような理由をつけておけば,フィルムを使って写真を撮る楽しさを,みんな忘れることはないはずだ。それだけでなく,あらたにフィルムを使って写真を撮ろうと思う人が出てくるかもしれない。これまでにご協力いただいた方々には厚く御礼申しあげるとともに,今後もよろしくお願い申しあげたい。
 さて,今年の中判写真週間では,ビューティフレックスという国産の廉価版二眼レフカメラを使うことにした。ビューティフレックスを製造した太陽堂光機(ビューティーカメラ)の母体ともいえる老舗の販売店,「カメラ太陽堂」が今月末で閉店することになったためである(2013年5月28日の日記を参照)。
 「カメラ太陽堂」を訪れることができたのは,6月1日のこと。地下鉄の神田神保町駅から地上にあがれば,「カメラ太陽堂」はすぐそこだ。私の場合,たまたま手もとにビューティフレックスがあるというだけの縁で,「カメラ太陽堂」の顧客だったわけではない。かつて,「新世界レコード社」を訪れるために神田神保町駅を利用したことはあるが,「カメラ太陽堂」については記憶がない。要は,「カメラ太陽堂」を利用したことはないのである。そして,訪れた日はまだ開店前だったのか,シャッターは開いていない。こんど東京を訪れる予定があるのは,来月になってからのことだ。もしかすると最後まで,営業中の「カメラ太陽堂」を見ることはないのかもしれない。

FUJI FinePix F10
FUJI FinePix F10

さて,せっかく「カメラ太陽堂」を訪れたのだから,ビューティフレックスでも撮ってみよう。フィルムは,NEOPAN 100 ACROSを使用。この日はよく晴れており,シャッター速度は1/100秒,絞りはF11くらいにしておけばほぼ適正露出になるはずだ。ギアの噛み合わせがよくない部分があり,そこを無理に動かすと連動がずれてしまうので(ずれても元に戻せるように印をつけてあるが),いまひとつスムースなピントあわせができないのは残念である。
 私は二眼レフカメラを使うときは,ストラップで首からかけるようにする。そして,カメラをもって,ストラップをピンと張るようにする。そうすれば,カメラブレを起こしにくい。ただし,ピントをあわせるときと,実際に露光するときとでカメラの位置が異なることになり,ピントが微妙にずれることが懸念されるが,まあ,この条件での撮影ならば気にする必要はないだろう。

BEAUTYFLEX III, Doimar 8cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS
BEAUTYFLEX III, Doimar 8cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS

太陽堂光機の工場は神田神保町ではなく,板橋区志村にあったようだ。だからこのビューティフレックスが生まれたのは,千代田区のここではない。だが,せっかくだからこういうフレーズを使ってみたいのである。

「ビューティフレックスよ,ここがキミの故郷らしいぞ。」

NTT DoCoMo P-01D

このビューティフレックスは幸いにも,シャッターがスムースに動作する。レンズにも,明らかなダメージは見られない。ピントについても,だいたい調整した。だから,写真を撮る道具としては,じゅうぶんに使えるものなのである。中判写真週間の間ずっと携帯していたのだが,なかなか写真を撮る時間を見出すことはできず,「カメラ太陽堂」を撮ったときのものを含めて,フィルムを2本消費するのがせいいっぱいだったのは残念である。下の写真はそんななかの1つで,栃木県佐野市の道の駅「どまんなか たぬま」の近くで撮影したもの。ここは,富士山の眺望にすぐれた場所とのことだが,当日の空はかすんでいた。

BEAUTYFLEX III, Doimar 8cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS
BEAUTYFLEX III, Doimar 8cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS

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