撮影日記


2011年10月03日(月) 天気:晴

コダックがヤバイのか?

この週末,なんともショッキングな「うわさ」を耳にした。それは,コダックが破産の準備をしている,というものである。コダックといえば,フィルムやカメラの老舗である。アグファやコニカが撤退したいまとなっては,大規模にフィルムを供給してくれているのは,コダックと富士フイルムの2社だけだと言ってよい。そのうちの1社に破産の可能性があるというのは,これからもフィルムを使おうと考えている者にとっては,とんでもない危機なのである。
 具体的にどういう「うわさ」なのか。日本経済新聞「web刊」の10月1日付けの記事(*1)によれば,まず9月23日に,コダックが金融機関から約120億円の融資を受けることを発表したことで,企業の運転資金が不足しているのではないか?と思われるようになったことからはじまる。それにくわえて,9月30日には,コダックが企業再生への助言で実績のある法律事務所と契約を結んだことが報道された。これによって,コダックが経営不振から,アメリカの破産法の適用を申請するのではないか?と多くの人が考えるようになったということのようである。

そもそもここ数年,コダックの収益の状況はあまりよくないようだ。
 フィルムの需要が減っているのは,ディジタルカメラの普及による影響が大きいわけだが,いま,コダックのディジタルカメラというものは,ほとんど市場に見られない。ディジタルカメラが実用的になりはじめたころには,業務用の機器として,コダックのディジタルカメラが一定の評価を得ていたように思う。それがいつしか,ニコンやキヤノン,あるいは富士フィルムにとってかわられていた。一般向けのコンパクトディジタルカメラにおいても,ニコンやキヤノン,富士フイルム以外には,オリンパスやリコー,ペンタックスといったカメラのブランドにくわえて,カシオやパナソニック,ソニーといった電気製品のブランドが見られるようになったが,そこにコダックの名前が見られることはあまりなかった。だからといって,たとえば撮像素子のようなディジタルカメラの主要な部品の製造を,コダックが押さえているという状況でもない。一言で言えば,コダックはディジタルカメラ事業への進出に失敗したということだろう。もちろん,ほかにもさまざまな事業を展開しているわけなので,写真・映像分野の失敗がすぐに会社の存続にかかわるようなことはないはずだ。だが,ほんとうに運転資金の不足などの問題があらわれてきているのであれば,ほかの事業についても問題がある状況なのだろう。さて,実際はどうなのか。続報が気になるニュースではある。

ところで昨日は安佐動物公園に行ったのだが,そこでコダックの「スナップキッズ」らしきものを使っている人を見かけた。どうして,コンパクトディジタルカメラや携帯電話のディジタルカメラ機能ではなく,レンズ付きフィルムを使っているのか,その理由を聞いておくべきだっただろうか。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-70mm F3.5-4.5G

*1 「米コダック株、終値1ドル割れ 破産申請観測は否定」(日本経済新聞Web刊,2011/10/1 9:37)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE2E3E2E3E48DE2E3E3E2E0E2E3E39C9C97E2E2E2


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