撮影日記


2011年04月10日(日) 天気:晴

工兵橋でサクラ並木を撮る

サクラの撮影は,朝がいい。
 朝の低い光線を利用すれば,逆光気味にして光に透けるサクラの花びらを撮りやすい。川岸にあるサクラなら,水面の反射も利用しやすい。順光で撮れば,空が明るすぎないため,サクラの花が空の白さに溶けこむこともない。
 なにより,朝なら,時間がある。
 サクラが楽しめる時期は,決して長くない。そして,春は天気が変わりやすい。晴天が2〜3日続けば必ず,曇天あるいは雨天の日がくる。できるだけ毎日,撮影するようにしておきたいのである。出勤前の1〜2時間が,実に好都合な時間帯となる。
 そのかわり,撮影場所に制約が生じる。すぐに出勤しなければならないから,どうしても自宅か職場のごく近くでの撮影となる。職場の近くや,通り道の近くというのが,最適ということだ。毎年のように撮影している「楠木の大雁木」のサクラも,そのような条件を満たす場所の1つであり,今年も,ほぼ毎日のように撮影をしている。

中区白島と東区牛田とを結ぶ工兵橋の周囲は,サクラ並木になっている。ここも,遠い場所ではないので,毎朝のように撮影したい場所の1つである。しかしながら,平日の朝は,少々不都合なこともある。この場所は,いわゆる通学路になっている。しかもすぐそばには,女子高校もある。こんな場所で,通学の時間帯にカメラを構えていたら,「不審者?」と思われるかもしれない。まあ考えすぎかもしれないが,朝の忙しいときに,余計なトラブルには巻きこまれたくない。
 空は白くかすみぎみであるが,日曜日の午後ならば,余計なことを考えずに撮影ができる。

Mamiya RB67 ProS, Mamiya-sekor 250mm F4.5, Super G100

とはいえ,気がつくともう午後といっても夕方に近い。手早く撮るなら,やはり一眼レフカメラがいい。Mamiya RB67 ProSとCdSファインダーとの組みあわせで撮ろうと考えたのだが,このCdSファインダーは,かさばるのである。とにもかくにも背が高いのだが,プリズムを使っておらず軽いので「よし」とする。
 まずは,新こうへい橋から,工兵橋を撮る。工兵橋の向こうにつづくサクラ並木がよく見える場所から,望遠レンズで狙ったものだが,なにせ春らしいかすんだ曇り空である。
 こんなどきは,空を入れるような撮りかたをすべきではない。土手のほうへ移動し,サクラ並木の向こうに,工兵橋が見えるような構図を狙うことにする。

Mamiya RB67 ProS, Mamiya-sekor 250mm F4.5, Super G100

工兵橋の最大の特徴はその床板が木製であることだが,こういう位置からでは,サクラ並木とあわせて撮ることはできそうにない。たぶんそれなりに高い位置から撮ればよいと思うが,そういう撮り方ができる,自由に出入りできそうな場所は,ちょっと見あたらない。
 日曜日の夕方ともなれば,さすがに通学生の姿はない。しかしながら,気持ちよい時期であるだけに,散歩する人が途切れることがない。のんびりしていると,日が暮れてしまう。さっさとフィルムを使い切って撤収したかったので,写っている人には申し訳ないのだが,人が通り過ぎるのを待ちきれずに最後の1カットのシャッターを切らせていただいた。

Mamiya RB67 ProS, Mamiya-sekor 250mm F4.5, Super G100

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