撮影日記


2023年05月27日(土) 天気:晴

古いレンズ「トムソン・ブラザーズ」の試し撮り

「Thomson brothers London」という銘のついた,古そうなレンズを入手した。虹彩絞りのないレンズだったため挿入して使う絞り板を作成し,同時に入手した暗箱で一般的なカビネサイズの取り枠を使えるようにしたので,試し撮りができるようになった(2023年4月29日の日記を参照)。
 このレンズに焦点距離は記載されていないが,写る範囲の大きさを焦点距離のわかっているレンズとくらべてみると,おおむね350mmになりそうである。この暗箱は,画面サイズのわりにはベースボードが長い。蛇腹をかなり伸ばして使えるわけで,350mm相当という焦点距離の長いレンズであっても,問題なくピントをあわせて使うことができる。また,被写体にも接近しやすく,思い通りの構図をつくりやすい。
 作成した絞り板を挿入すれば,レンズをF32相当くらいで使うことができる。フィルムのかわりに印画紙「フジブロWP FM2」を使って撮るので,今日はよく晴れているが,露出時間は4秒くらいが適正になる。それくらい露出時間が長くなるなら,シャッターの機構がなくてもよい。レンズキャップを手ではずして,またつけなおすようにしても問題ない。

Thomson brothers lens, FUJIBRO WP FM2 (F32, 4sec)

Thomson brothersレンズは,もしかすると19世紀末くらいのかなり古いレンズだという可能性がある。それでも,ペッツバールレンズよりもあたらしい時代のもので,一定の改良がなされたアプラナット型あるいはラピッドレクチリニア型のレンズだと思われる(2023年4月30日の日記を参照)。そのためか,カビネ判サイズでの撮影に使ったかぎりでは,しごくまっとうな描写をしているようにみえる。
 ただ,イメージサークルの大きさは確認していない。もしかすると,イメージサークルのごく中心付近だけを使っている状態なのかもしれない。もしも,8×10判くらいのサイズまでカバーできるイメージサークルがあるのだとすれば,それはそれで,すばらしい性能をもっているということになる。

Thomson brothers lens, FUJIBRO WP FM2 (F32, 4sec)

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