撮影日記 |
---|
2016年12月01日(木) 天気:雨のち曇Kodak DC210Azoomは,コダックの色なのか?2012年1月19日に,「コダック,破産」というニュースが流れた。いや,正確には「アメリカのコダックが,経営再建のための破産法適用を申請した」というものである(*1)。ただ,数か月前から「コダックが危ない」という状況が報じられていただけに,「破産」という単語に過剰な反応があったものと思われる(2012年1月20日の日記を参照)。この報道を受けて,「コダックはディジタル化の対応に遅れた」と評価する声を見かけたものだが,コダックはほんとうにディジタル化に遅れていたのだろうか?それは,違う。明らかに,間違っている。そもそも,ディジタルカメラというものを発明したのは,コダックである。そして,1990年代はまだ,業務用ディジタルカメラといえば,コダックがなければ成立していなかった。ただ,そのあとにコダックは,魅力的な製品を市場に送り出せなくなっていく。だからコダックについて評価するならば,「カメラのディジタル化に遅れた」という表現は不適切であり,「カメラがディジタル化する波に,うまく乗れなかった」くらいの表現が,妥当ではないだろうか。 今日は,そんな時期に発売された,コダックの一般向けディジタルカメラを入手した。 Kodak DC210A zoomという機種である。1998年5月に発売された,いわゆる「メガピクセル機」である。記録画素数は109万画素で,1152ピクセル×864ピクセルの画像を撮影できる。当然,液晶モニタを装備しており,この液晶モニタはファインダとしても利用できる。 カメラの正面には,「Kodak」のロゴとともに,「digital science」という文字が記されている。「digital science」をあらわしていると思われる「ds」のロゴも含めて,1994年に発売された業務用ディジタル一眼レフカメラKodak DCS 460にも同じものが記されている。これらは,ディジタルカメラの最先端を走っている自負のようなもののあらわれのように感じられる。 Kodak DCS 460は「Made in U.S.A.」と記されているが,Kodak DC210Azoomは,Made in Japanとなっている。このころKodakの傘下にはいった,チノンで製造されたものらしい。 Kodak DC210A zoom起動には少し時間がかかるが,起動してしまえばレスポンスは快適である。 Kodak DC210A zoom小さな文字は,ややつぶれ気味であるが,これくらいなら読めなくはない。ポストの赤も,木の葉の緑も,ほどほどに感じられる。 Kodak DC210A zoomKodak DC210Azoomには,マクロモードもある。マクロモードにしたところで,パンフォーカスであることにはかわりない。それでも,思ったよりはピンボケが気にならない。発色に派手な印象は受けないが,落ち葉の色の違いがはっきりと区別できるだけの彩度はもっているようだ。 全体に地味ではあるが,それなりにしっかりつくられたよい製品だと思う。
*1 米コダックが破産法申請 デジカメ対応など遅れ (日本経済新聞,2012/1/19付)
*2 DC210A zoom デジタルカメラ (コダック) |
← 前のページ | もくじ | 次のページ → |