撮影日記 |
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2016年02月12日(金) 天気:曇ときどき晴リコーと言えばサンキュッパ以前から「ぜひとも入手しておきたい」と考えていたカメラを,ようやく救出することができた。 リコーの一眼レフカメラ「XR500」だ。 このカメラは,「RICOH XR500」という名称でよぶよりも,「リコーのサンキュッパ」とよぶほうが,わかりやすいかもしれない。 ジャンクコーナーのレンズには,お約束のようにカビが付属している。 ネームプレートをはずした下には,カニ目回しではずせそうなレンズ群が姿をあらわす。 カビは第2群レンズにあるようなので,内側を回したい。しかし,ここには接着剤が軽くつけられているようで,どうしても外側もいっしょにはずれてしまう。接着剤らしき部分をライターオイルで拭きつつ削れば,内側だけを回すことができた。 カビの生じていたレンズを取り出して清掃し,あとは元通り組み立てればよい。 「リコーのサンキュッパ」というフレーズは,その低価格さをアピールするものである。性能や機能,デザインなどではなく,あくまでもメーカー希望小売価格が安いことのアピールである。RICOH XR500と同じ時期に発売されていた一眼レフカメラとしては,たとえばCanon AE-1がある。その価格は,50mm F1.8レンズ付きで71000円(日本カメラショー「カメラ総合カタログ Vol.64」(1979年版))。もちろん,ケースは別である。RICOH XR500はマニュアル露出専用で,シャッター速度の範囲が1/8秒〜1/500秒まででかなり狭いものになっているが,一般的な条件での撮影にはじゅうぶんに対応できる。マニュアル露出専用とはいえ,TTL開放測光露出計が内蔵されているのだから,使いにくいカメラだというわけでもない。50mmレンズでは,開放F値がF1.4やF1.8くらいのものが多いので,F2というとかなり性能が劣っているように感じるかもしれないが,撮影に困るようなものではない。F2.8クラスの高級なズームレンズより,さらに1段明るいレンズなのである。きれいな写真を撮るために必要な機能は,ちゃんと備えているのである。 リコーのカメラといえば,古くは「リコーフレックス」や「リコーオートハーフ」のシリーズが有名だった。とくにRICOHFLEX III型は,昭和30年ころまでの二眼レフブームの嚆矢ともいえる存在だ。RICOHFLEX IIIは,ボディもレンズもシャッターも,いずれも簡素な造りであったが,きれいな写真を撮るために必要な機能や性能をもっている(2015年1月21日の日記を参照)。低価格ながらきれいに写るとして,よく売れたカメラとなった。このことを高く評価する人は,少なくないはずだ(2015年5月10日の日記を参照)。 |
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